Web3.0が目指す組織である、DAO。
トレンドワードとして注目されているDAOについて、その概念や特徴など気になっている人は多いのではないでしょうか。
今回の授業では、これまでの企業との違いやデメリットなども含めて、初心者にもわかりやすく解説していきます。
企業の上位互換とか言われていたから色々調べてみたけど、結局よくわからなかった…。
今回の講義では、わかりやすくポイントをしぼって伝えていくから大丈夫!
まずは、DAOがどんなものなのかを解説していくね!
DAOってなに?
DAOとは「分散型自律組織(Decentralized Autonomous Organization)」を意味するのです!
英語の頭文字をとって、DAOなんだね!
でも…。
「分散型自律組織」ってわからなすぎる…。
①「分散型」
②「自律」
③「組織」
の3つの言葉に分解して考えてみると、わかりやすくなるよ。
細かくわければ、なんとかわかるかも…
①「分散型」とは
「分散型」とは、権限が分散した非中央集権的なプログラムで動くこと。
権限が集中しない仕組みなんだね!
そのとおり!
みんなで協力しながら運営できるよ。
②「自律」とは
「自律」は、どういう意味?
「自律」とは、事前に公開されたルールによって自律的に動くという意味。
公開されているルールにもとづくなら、安心して参加できそう!
誰かがズルをする心配が少ないっていうのは、大事だよね!
③「組織」とは
最後の「組織」についても、教えてください。
「組織」は、ある目的の達成を目指して集まるグループのことだよ。
もう少し具体的に教えてください!
たとえば、
「ゲームをつくるため」
「環境保護をするため」
といった目的のために集まるのが組織。
なるほど!
イメージできた!
目的やルールを信じた「人」が集まって、DAOという組織になるんだよ!
DAO(分散型自律組織)、イメージがわいてきた。
DAOの具体例
ちなみに、DAOって具体的にはどんなのがあるの?
もっとも有名なDAOは「ビットコイン(Bitcoin)」!
ビットコインも、ルールによって運営されて、それに人が集まってるもんね。
そのとおり!
ビットコインについては、2限目の暗号資産の講義でも詳しく解説しているから、見返してみてね。
でも、DAOになると何かいいことがあるんですか?
たくさんあるよ!
DAOの3つの特徴から、説明するね!
- DAOとは、分散型自律組織(Decentralized Autonomous Organization)
- 「分散型」とは、非中央集権的なプログラムで動くこと
- 「自律」とは、ルールによって自律的に動くこと
- 「組織」とは、目的達成のために集まるグループのこと
- 最も有名なDAOは「ビットコイン(Bitcoin)」
DAOの3つの特徴
DAOの特徴としては、大きく3つあるよ!
①中央管理者がいない【分散性】
②誰でもチェックできる【透明性と信頼性】
③金銭的なメリットがある【経済的インセンティブ】
どれも難しそう…。
これまで勉強してきたところと重なる部分も多いから、大丈夫!
わかりやすい説明でお願いします!
DAOの特徴①:中央管理者がいない【分散性】
DAOには、中央集権的な管理者がいないのだ!
中央集権的な管理者がいないって…?
たとえば1000人でじゃんけんして、勝ち残った3人が今後の運営を決めるとしたら、中央集権だと思う?
権限が3人に集中して決めているので、中央集権だと思う!
そのとおり!
一般的な会社は、社長や特定の幹部だけが重大な決定をするから中央集権なんだ。
DAOは違うの?
DAOは参加者全員で組織運営などをしていく仕組みだから、権力が分散しているんだ。
参加者全員でって、具体的にどんな感じになるの?
たとえば、トークンと呼ばれる、投票権を参加者がもてる!
株式会社でいうところの、株券みたいなもの?
イメージとしてはそのとおり!
ただ、株券よりも多くの人たちが分散してもつイメージだよ。
なるほど!
1限目のWeb3.0の講義でも伝えたけど、分散性はDAOだけではなく、Web3.0にとっても重要なキーワードだから意識して覚えておいてね!
DAOの特徴②:誰でもチェックできる【透明性と信頼性】
組織がどのようにお金を使ったのか、誰でも確認できるよ。
不正な用途でお金を使うのを防げるような仕組みだね!
そうなの!
だから組織に対する信頼性にもつながるんだよ。
でも情報が改ざんとかされたら、確認できても意味ない気もするんだけど…。
ブロックチェーン技術を使っているDAOの情報は、改ざんが難しいからその心配は少ないよ!
たしか…。
ブロックチェーンを利用すると、不正が難しくなるんでしたっけ?
そうなの!
2限目のブロックチェーン講義でも詳しく話してるから、復習してみてね。
少し忘れてきてたので、しっかり復習してみる!
あと、DAOはルールどおりに運営されるから、その点でも透明性や信頼性が高いといえる。
個人的な利益に目がくらんだ人がいても、悪いことができないような仕組みなんだね!
さらに、DAOの交流は「Discord」っていう誰でも見られるツールで行われることも多い。
DAOには、透明性や信頼性を高める仕組みがもりだくさんだ。
株式会社よりも透明性や信頼性が高いのは、DAOの大きな魅力の一つなのだ!
DAOの特徴③:金銭的なメリットがある【経済的インセンティブ】
DAOは、組織に関わったすべての人が金銭的メリットを受けられる仕組みでもあるんだよ。
関わるほうとしては嬉しいだろうけど、組織的には何か良いことあるの?
NANAちゃんは、プロジェクトが大成功してもトップ層だけにしか大きなお金が入らないとしたら、やる気出る?
正直、出ないかも…。
プロジェクトが大成功したら、大きな利益が自分にも入るとしたら…?
やる気出る!
上司から何も言われなくても勝手に頑張っちゃう!
その感覚が大事!
トークンなどの金銭的メリットが入ることで、関係者がモチベーション高く動ける組織になるんだよ。
これまでの会社ではなかったの?
たとえば株式会社の場合だと、事業が成功したときに儲けられるのは創業者などの株式を多くもっている人のみ。
従業員や初期から応援してくれた人がいたから、成功したのに。
そこで!
そういった人たちにも、広く報酬を配布できるのがDAOなのだ!
より多くの人を巻き込んで、モチベーション高く動いてもらえる仕組みというわけですね!
非中央集権ばかりが強調されがちだけど、DAOの大きな特徴は経済的インセンティブにもあるんだよ。
Web2.0にはない大きな特徴が、経済的なインセンティブ。
覚えておきます!
- DAOの特徴①:中央管理者がいない【分散性】
- DAOの特徴②:誰でもチェックできる【透明性と信頼性】
- DAOの特徴③:金銭的なメリットがある【経済的インセンティブ】
DAOの主なデメリット
DAOには、デメリットとかはないの?
まだまだ発展途上な仕組みなので、正直けっこうある。
あまり多いと覚えられないので、代表的なのを教えてほしい。
よくいわれるのが、以下の2つ!
①法整備等の課題
②意思決定の遅さや複雑さ
一つずつ教えてください!
デメリット①:法整備等の課題
法整備等の課題って?
まったく新しい仕組みだから、法整備や規制の仕組みなどが追いついていないんだ。
会社とかなら、しっかりと法律や制度の仕組みがととのってるもんね。
予測できない部分が現状では多いので、「運営する際の大きな障害になるのでは?」と懸念されているよ。
デメリット②:意思決定の遅さや複雑さ
意思決定の遅さや複雑さって?
DAOの特徴でもある、組織運営への多くの人の参加は決定の遅さや複雑さにつながるんだ。
たしかに、少人数で一方的に決めたほうが意思決定は単純だし早そうだよね。
意思決定に参加する人数も多くなるから、どうしても遅くなってしまうし、複雑にもなるんだ。
DAOは株式会社に変わる仕組みって聞いたけど、けっこうデメリットがあるんだね。
今回紹介した以外にも課題は多くあるから、現段階ではDAOがすべての組織に理想的だとはいえないんだよ。
- DAOの主なデメリットは、「法整備等の課題」や「意思決定の遅さ・複雑さ」
- DAOには様々な課題があるので、理想的な仕組みとまでは現段階ではいえない
次回は、今後あらゆる市場で中心的な金融インフラになる可能性を秘めたDeFiについて、詳しく解説していきます。